自由と伝統

金持ちについて書いた記事を投稿したつもりだったのだが、丸ごと消えた。

下書きにも残っていないので、一体どうした事かと頭を抱える。

仕方がないので、全く違う事を書こうと思う。

 

If "manners maketh man" as someone said 

ことわざのようにマナーが人を作るのなら

Then he's the hero of the day 

彼は現代の英雄だ

It takes a man to suffer ignorance and smile 

無知と笑いを物ともしない

Be yourself no matter what they say 

自分自身であれ 

誰の言うことも聞かないで

 

 

英国社会で父が弁護士という中流家庭に生まれたクエンティン・クリスプ。

 

ホモセクシャルであることは完全にタブーという社会のなかで、隠しきれないそのセクシャリティが故に保守的なイギリス社会で彼は手ひどいあざけりと侮蔑を受けて生活せざるを得なかった。

 

ニューヨークに移住後の彼はやがて若き天才に歌われる。

 

それが、スティングのEnglishman In New Yorkである。

 

Manners maketh manという諺は、

「礼儀は人を作る。礼節が人を作る」という意味であり、

転じて「人は態度で判断される」という意味としても使われる。

 

これをキラキラハッピースピリチュアル的に解釈するのならば、

自分勝手に誰の言うことも聞かないで自分の好きに一直線が幸せへの近道となりそうだが、

この歌詞の真意は全く違う。

 

ニューヨークはイギリス人にとっては、古き良き伝統や礼儀の一切通じない都会で野蛮な土地な訳で、

そこで伝統、礼儀、上品で格式高い振る舞いをすることはまるで、奇異の目で見られる。

 

だが、それら侮蔑の視線に負けることなかれ、美しき伝統を、礼儀を、格式を突き通す美学を失うことなく生きろ、わからない無知なもの達に構わず、という意味合いが強いと思う。

 

自由に、自分を生きるためにはまず、先人達の事や彼らが守り伝えた伝統や礼儀や文化を知らなくてはならないと思う。

 

その上で自らの譲れない部分と擦り合わせていくべきなのだろう。

 

自由に生きる事は否定しないし素晴らしいと思うけれども、まあ、その土台をまずはしっかり作るべきだろうと思う。

 

クエンティン・クリスプの逸話についてはまた後日。

消えた記事はどこにいったんだろう?