完璧主義者は自尊心が高いのか低いのか?

完璧主義を時系列的に捉えるとこの問題は考えやすいと思う。

 

過去から現時点における自尊心は間違いなく低いと言える。

だが、未来への期待値を含んだ自尊心は非常に高いと言えるだろう。

 

つまるところ、時間軸と自分自身が乖離しているのだ。

 

完璧主義は悪いことにある種の達成感や成功体験をもたらす。

TOEIC990点だとか

難関資格取得だとか

テストで100点だとか

目に見えて結果がわかり誰にでもわかりやすい成果を提示してくれる。

 

だが、その結果が出れば幸せになれるはずだと努力してきたはずなのに、実際に成果を手にしてみれば、まだまだ不甲斐ない情けない自分のままで。

 

ああ、きっとまだ努力が足りないのね、何かが足りてないないのだわとまた努力を始めるのだ。きっと思い描いていた自分になれないのは、努力が足りないからなのね、もっともっと勉強しなくては、邁進しなくてはと、何かに急き立てられるのだ。

 

本当に必要なのは、未来の自分は間違いなく今の自分と地続きにしか存在しないということを受け入れる事なのにも関わらず。

 

これは、自分自身への期待値が異常に高い歪んだ自尊心によるものだと思う。

また悪いことに、結果を出してしまえる人が多く、挫折せずに精進できるど根性の持ち主が多いのである。

 

頑張っても頑張って幸せになれない不幸なんて気の毒すぎると思う。

だが、自尊心が異常に高いものだから、この手の完璧主義者は自分で気づくまでは納得しない。

 

私も以前はまたそのような人間だったのでよくわかる。

 

未来の自分への期待値が高すぎる為なのか、単純に歪んだ自尊心がゆえなのか、他人のアドバイスに耳を傾ける気がない。

同時に自尊心が低いものだから何を言われても否定に聞こえてしまい、感情的になり、自分の正しさを証明しようと躍起になる。

 

身を粉にして努力し続けるしかなくなる。

 

まあ、周りに迷惑をかけない限りは意外と完璧主義も悪くはないのだろうが、本人は生きづらいと思う。何しろ心が休まらないのだから。

 

私も随分完璧主義が抜けたなあと思うのだが、たまに顔を出してくることがあり、元来の気質は雑なのになあと苦笑する。

 

完璧主義なあなたではなくても、あなたを認めてくれる人や愛してくれている人、優しさや親切を与えてくれる人がいる。完璧主義者は完璧なそれらを求めるから、気づく事はないのだろうけれども。

 

努力をするべきは個人の能力向上プラスで、コミニュケーションだと思う。