バーチャル・アイデンティティ考

バーチャル・アイデンティティについての記事を読んだ。

 

https://www.cafeglobe.com/2019/01/singularity4_2.html

 

非常に面白いなあと感じたし、事実、バーチャル・アイデンティティは今の若者たちにとってはリアル・アイデンティティより身近で大切なものなのかもしれない。

 

バーチャルの世界で可愛い可愛いと褒めそやされた人間にリアルで会うとがっかりする事はよくあるそうだが、やはり最初の衝撃がなくなると可愛く見えてくるのだそうだ。

 

某youtuberカップルを私は知らなかったのだが、静止画で彼らを見たとき、なんて垢抜けない素人としてもボンヤリし過ぎでモブにもならない顔立ちの二人だなあと思ったのだが、

 

彼らのファンである若者の言葉を聞くうちに、うん、なんと言うか、味があり個性があるような気がしないでもないなあと感じた。

 

渋谷の雑踏の中で彼らを見つける自信はまるで無いけれども。

 

また、インスタグラマーや美容家と呼ばれる人々にリアルで会うこともある。

 

実際に見た彼女達は勿論綺麗なのだが、

普段モデル界隈を眺めることもある私としては、どうしても、

「素人的には」綺麗な人々だなあ。や

「一般人としては」美人だよねぇ。

と言う枕詞をつけてしまう。

 

だが、一度バーチャルの世界を通して彼女達を眺めてみると、

非常に綺麗で、知恵があり、豊かでキラキラした毎日を溌剌と送っているように見える。

 

しかし、実際に会う彼女達には、やはりモデル界隈の持つ圧倒的な天与の才や美貌を感じる事が出来ないし、

知恵はあるかもしれないが、溌剌としたキラキラしい毎日を送っているというよりは、

私達と変わらないボンヤリとした毎日を過ごしているのだろうなあと言う親しみやすい、気安い雰囲気がある。

 

端的に言えば、オーラがない。迫力がない。

 

だが、バーチャルの世界ではその、オーラや迫力を演出する事ができる。

 

そしてその人工的なオーラや迫力はAR的に現実世界に侵食してくる。

非常に面白い事だと思う。

 

道具をうまく使いこなす事が、現実世界に大きな変革をもたらすのだ。

 

今までは天与の才能や美貌の持ち主のみが立っていた世界に、同等の価値を持つものとして、バーチャル世界の美人が並ぶ事ができるようになってきたのだ。

 

教祖様界隈は実にこの辺りをうまく使っていると思うが、

 

セルフブランディングにせよ、中身が伴わないものはリアルの世界ではすぐにわかってしまう。

 

そう、どんなに有名な素人であろうとも、天賦の才に恵まれたモデルや女優と並んだ時にどうしたって美しさや迫力の面で劣ってしまうように。

 

バーチャル・アイデンティティはこれからの世界では非常に大きなテーマになっていくだろうと思う。

 

個人情報の流出に対し抵抗を感じてしまう私のような人間は古臭い価値観の持ち主として淘汰されていくかもしれない。

 

リアル・アイデンティティを超えて、バーチャル・アイデンティティこそが人々のマインドに根付く未来があるかもしれない。

 

非常に面白く、興味深いと思いながらも、一方でバーチャル・アイデンティティを持ちセルフブランディングを必死になって行ってきた教祖様界隈や、炎上美人達が次々に落ちぶれたり消えていく様を見ていると、

 

圧倒的な現実を乗りこなす事が出来ないかぎりは、あるいは

圧倒的な現実こそが、

やはり大切なんだろうなあと感じる。

 

まあバーチャルがいくら進化しようとも、地に足をつけて生きていきましょう、それを忘れちゃダメだよねと言うだけの話である。